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[内視鏡AIの過去と未来] AIメディカルサービス創業秘話~プロトタイプからベストグロース賞1位まで~

内視鏡医であり、AIメディカルサービスの創業者・代表取締役CEOでもある多田智裕が語る、AIメディカルサービスの創業秘話、「内視鏡AIの過去と未来」。今回は、創業から、内視鏡AIのプロトタイプを研究・開発していった期間のお話をご紹介致します。

ディープラーニングの特徴

2016年の終わりに私はディープラーニングというものを知りました。
ディープラーニングというのは従来の機械学習がより進化したものです。
従来の機械学習で人間が特徴量を設定しないとAIを作ることは出来ませんでした。
しかし、ディープラーニングの技術は特徴量を人間が教えなくても、AIが勝手に学習してくれます。
これによりAIは大きな進歩を遂げ人間を上回る画像認識能力を手に入れたのです。

このことを知った私は、内視鏡にもこの技術が応用できるのではないかと考えました。

内視鏡AIの研究を開始

その当時、内視鏡AIを開発・研究しているグループはいなかったことから、ほかの分野で人間を超えたと言われる画像認識能力が内視鏡分野においてもどれくらい通用するのか研究をしようと思いました。

ただそこで必要なのがAIができるエンジニアの仲間でした。
私の大学の後輩の友達でちょうど山形にディープラーニングの技術ができるエンジニアがいるという話を聞き、私は山形にいたそのエンジニアとお話をして、2017年1月から、一緒に内視鏡AIの研究を始めることにしました。

ピロリ菌に感染して胃炎になると胃癌の原因となる胃炎です。
ピロリ菌にかかっているか、かかっていないかを鑑別することは内視鏡検査において非常に重要です。
そして、胃癌を見つけられるAIの研究に着手しました。

一緒にやっていたエンジニアの方たちはその当時山形の会社に所属していました。
埼玉を遠隔でつないでリモートで打ち合わせをしながらの研究でした。

幸いにも研究は順調に進み、2017年5月においてはピロリ菌がいるかいないかを鑑別するAIの開発に成功いたしました。
そして同じく2017年の7月には、胃癌検出AIも完成の目処が立ちました。

この研究がここまでできたのであれば、研究を是非続けたい。
そして、できることならば臨床現場で使えるまで、実用化まで進めたいと思う気持ちを強くしていました。

医療機器として開発を続けるためには、個人で研究しているというのではなく、安定して研究開発を続けられる会社を作る必要がありました。

Beyond Next Ventures主催 BRAVEプロジェクト出場

そこで研究と並行して、いわゆる医療ベンチャーをどうやってつくるのかという勉強を始めました。
知り合いの紹介により、2017年の6月にはBeyond Next Ventures主催「BRAVE」プロジェクトのピッチコンテストに出場する機会を得ることができました。

この「BRAVE」プロジェクトは大学発医療ベンチャーが集まる国内最大のピッチコンテストです。
実際そのピッチコンテストに出てみると、合宿形式で、資金の集め方とか、いわゆるCTO・COO・CMO、CXOの集め方を学ぶことができました。
ペプチドリームの菅さんに講演いただき、同じピッチに出ていた仲間たちには有名な国公立大学の教授クラスの方が起業しようと集まっていました。

開業前部門で1位を獲得

キャンプのプログラムをこなし、最終日のピッチコンテストにおいて、私どもは開業前部門で1位を獲得することができました。
そこで、資金もある程度獲得できそうだなとある程度感触が得られました

Incubate Campに出場

まだオフィスがなかった私たちは、そこで得た副賞で、その当時リクルートさんが開いていた渋谷のTECH LAB PAAKというスタートアップが集まるシェアオフィスに入居する権利を得ることができました。

そこで集まって研究開発をその後は進めていたんですが、2017年の7月にTECH LAB PAAKでインキュベイトファンド株式会社の和田さんがメンタリングしてくれました。
そこで30分の時間をいただき、インキュベイトファンドの和田さんとお話ししたところ、2017年8月のIncubate Campに出場する機会をいただくことができました。

Incubate Campは国内の有名なファンドがほぼすべて揃うと言われている、オールスターファンドによるピッチコンテストです。
ほとんどすべてのファンドの方と面談の時間をいただき、いろいろインプット、アドバイスをしていただき、ビジネスモデルをブラッシュアップして最終ピッチコンテストに臨みました。

総合で3位・ベストグロース賞1位を獲得

その結果、総合で3位、ベストグロース賞1位を獲得しました。
Incubate Campに参加の18の企業の中、会社を設立していないのは私だけでした。

40代後半にさしかかっていたので、起業家としてはほぼ最年長でした。

社会の期待も高く、成功するチャンスが十分にあるということを確信することができました

松尾豊先生のコメント

また同時にAIでディープラーニングを用いた内視鏡AIを開発するきっかけとなった、松尾豊先生にも会ってアドバイスいただく時間をいただきました。
その時に完成していた、軽く研究段階ではありましたけど胃癌を検出するAIに関して見てもらったところ、松尾豊先生からもですね
「これは、こんなのが日本でできるのは見たことがない」
というお言葉もいただきまして、この技術は世界に通用する技術であるし、ぜひ実用化したいという思いを強くいたしました

編集 / 南 洋佑
Yosuke Minami
株式会社AIメディカルサービス 事業推進室

概略
新卒で医療×ITのビジネスを展開しているベンチャー企業に入社。生活習慣病患者さん向けのオウンドメディアにて、編集やライティング業務に従事。消化器領域における人工知能の活用に可能性を感じたこと、会社のビジョンに共感したことから、2020年より現職。「有益な情報をわかりやすくお伝えすること」をモットーに、gastroAI onlineにて記事を執筆中。

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