
[登壇報告]第101回日本消化器内視鏡学会総会 教育講演3「人工知能は内視鏡診療を変えるか?」
2021年5月14日~5月16日に開催されました第101回日本消化器内視鏡学会総会にて、株式会社AIメディカルサービス 代表取締役 CEO 多田智裕をはじめ、内視鏡AIに関する報告がありました。
本記事では、基調講演3「人工知能は内視鏡診療を変えるか?」について、ご紹介します。
プログラム概要
[ハイブリッド開催] 第101回日本消化器内視鏡学会総会 教育講演3 「人工知能は内視鏡診療を変えるか?」
人工知能は内視鏡診療を変えるか?-上部消化管内視鏡AIを中心に-
日時 2021.05.14(金) 9:30 – 10:00
司会 春日井邦夫 先生(愛知医科大学)
主催 日本消化器内視鏡学会
会場 リーガロイヤルホテル広島 4F クリスタルホール 第5会場
プログラムはこちら(外部サイト) http://coac.jp/101jges/program/
AIの研究開発と現在までの成果
AIの研究は「ブームの時代」と「冬の時代」を交互に経験してきました。
第1次AIブームは、1950年代〜1960年代。コンピューターに「探索・推論」させることによって、問題を解かせる研究が進みました。
第2次AIブームは、1980年代。コンピューターに「知識」を入れるアプローチでのAI研究が盛んに行われました。
そして、2000年代のインターネットの広がりとともに、現在第三次AIブームに差し掛かっています。
このように今まで、AIの研究は3回のブームを経験してきました。
2度の冬の時代の原因となったことは、AIにどの変数を入力するか、どの情報を取り出して、分析するかに関して、AIは人間の力を借りる必要があることでした。
しかし、ディープラーニングの発達により、機械が自身でデータから特徴を見つけ出し、その特微を使って概念を獲得できるようになりました。
今までAIがずっと直面していた難問が解決したことが、現在AIやディープラーニングが脚光を浴びる理由です。
これにより、コンピューターの画像認識技術は飛躍的に向上しました。
それにより、画像認識の分野ではAIは人間の課題解決に貢献できると考えました。
AIについては医療の領域でも非常に期待が高まっており、AMEDによる情報通信技術の基盤構築やAIの研究開発事業支援を受けて、消化器内視鏡学会、病理学会、医学放射線学会、眼科学会、皮膚科学会、超音波学会など学会ごとにデータベースの開発が進んでいます。
これらの学会の中でも、消化器内視鏡学会の領域のAIは医療機器承認まで進んでおり、比較的先行している傾向があります。
内視鏡AIの開発プロセス
内視鏡AIの開発にあたり、全国の医療機関と共同研究を実施し、お預かりしたデータをアノテーションして、プロトタイプAIを開発します。
このプロトタイプで研究を行い、効果検証を行い、研究結果を論文化しています。
紹介した論文
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- Application of Convolutional Neural Networks in the Diagnosis of Helicobacter pylori Infection Based on Endoscopic Images
- 七條智聖先生 大阪国際がんセンター消化管内科
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- Application of artificial intelligence using a convolutional neural network for detecting gastric cancer in endoscopic images.
- 平澤俊明先生 がん研究会有明病院上部消化管内科