
[内視鏡AI体験会] 山梨大学医学部附属病院
内視鏡AIは、医療現場での医師の負担を軽減する技術として、また医師による早期胃がん発見率を向上する技術として、非常に期待されています。
株式会社AIメディカルサービスは、消化器のがん関連病変の内視鏡検査にて、専門医の診断を支援する内視鏡AIの開発を進めています。
このたび、山梨大学医学部附属病院にて、開発中の内視鏡AI(未承認医療機器)の体験会を2021年7月に実施させていただき、多くの先生方にご参加いただきました。
当記事では、研究開発を進めている内視鏡AIの概要と、内視鏡AIを操作いただいた先生方のご感想を紹介させていただきます。
開発中の内視鏡AIとは?
弊社は、内視鏡プロセッサから出力される胃の画像から、内視鏡医が拾い上げた病変が腫瘍性であるかどうかの可能性の度合い(確信度)を表示し、鑑別を支援する内視鏡AIを開発しています。
上記のように画面内に解析対象を捉えて、スコープでフリーズ操作するとAIが解析結果を表示します(写真内の右)。この時、ブレがある場合やピントが合わない画像だとAIは正しく判断できない場合が多いので注意が必要です。
内視鏡画面内に、腫瘍性の可能性のある病変がある場合には、上記左図の画面のように、AIが認識した病変の位置を示す矩形と腫瘍性の可能性の度合い(確信度、上記の場合95%)が表示されます。
60%以上の確信度で腫瘍性病変と鑑別した場合、画面に「Adenoma or Adenocarcinoma」と表示され、確信度が低い場合は、右図のように「Low Confidence」と表示されます。
確信度の数値の大きさは、過去に学習した症例との類似度を表しているため、現在解析している病変が腫瘍性である確率を示しているわけではありません。つまり上記の95%という数値は、「AIが学習しているデータと95%の確率で同じである」ということを示しています。
内視鏡AIの開発プロセス

内視鏡AIの開発プロセス
AI開発には、「データ収集・注釈」「学習」「性能評価・運用」という3フェーズがあります。
はじめに、内視鏡の症例画像・動画を収集し、注釈(アノテーション)を行い、収集データを定義づけします。次に、定義づけを終えた教師用データをAIが学習します。その後、学習を終えたプロトタイプのAIに対して、検証用の未知データ(教師用データとして使用していない症例データ)で性能確認を行います。
AIメディカルサービスでは、113の医療機関・研究施設のご協力のもと、この学習・検証・修正のサイクルを繰り返して、研究開発に取り組んでいます。

内視鏡映像の画像パネルを使って、内視鏡AIの体験会を実施しました
内視鏡AI体験会を終えて
山梨大学医学部附属病院は、先生方による新しい技術の勉強会や体験会の実施など、人材の育成にも積極的に取り組まれております。今回の体験会には多くの先生方に加えて、研修医の先生方もご参加くださり、新しい技術である内視鏡AIに対して前向きに接してくださる姿が印象的でした。いただいたご意見を今後の研究開発に活かし、内視鏡AIを通じて内視鏡医療に貢献できるよう努めてまいります。
内視鏡AIをオンラインで体験してみませんか?
gastroAI online会員限定で、研究開発中の内視鏡AI技術をオンラインで疑似体験いただけます。
本オンライン体験では、複数の早期胃がんの病変が映った内視鏡検査動画に対して、体験者ががん病変と疑われる箇所で映像を停止すると、プロトタイプの内視鏡AIによる解析結果を表示します。
会員登録の上、ぜひ研究開発中の内視鏡AIをご体験ください。(所要時間5-10分ほど)
(注)本AIは、広くAIの実態を伝えるべく、インターネット公開用に開発したものであり、医療機器として販売するものや過去研究開発したものではございません。