
[インタビュー]内視鏡AIの有用性と求められる性能~第107回消化器病学会総会会期中実施の内視鏡AI体験~
株式会社AIメディカルサービスでは、研究・開発中の内視鏡AI(プロトタイプ)を内視鏡医の先生方に体験いただく取り組み「内視鏡AI体験」を行っています。本稿では、内視鏡AI体験の内容、及び実際に体験された先生方のご意見・ご感想をご紹介致します。是非最新の内視鏡AIの実態をご覧ください。また、弊社ではAI体験会を定期的に実施しております。ご要望の先生は是非お申し込みください。
内視鏡AI体験とは
現在、弊社が研究開発中の内視鏡AIを、内視鏡医の先生方に体験いただくための取り組みです。弊社スタッフご説明の上、無料で研究開発中の内視鏡AIの操作を体験いただけます。弊社オフィス(東京都 池袋)に御来社いただく、もしくはオンライン会議システムを利用した遠隔での実施になります。また、感染対策を徹底したうえで病院様・クリニック様へご訪問する、出張版の内視鏡AI体験を行う場合もあります。
御来社による内視鏡AI体験では、研究開発中の胃癌鑑別AIを用いて、① 「内視鏡」と「病変の映った静止画(パネル)」を使ったAI体験 ② 「内視鏡検査動画」を使ったAI体験の2つを行っています。
![[イメージ]内視鏡AI体験](https://ai-ms.com/online/wp-content/uploads/2021/05/556220d4bdd706f2469a28ea8ab6e9a6-scaled.jpg)
[イメージ]内視鏡AI体験
① 「内視鏡」と「病変の映った静止画(パネル)」を使ったAI体験
弊社にある内視鏡システム(オリンパス社/富士フィルム社)を用いることで、臨床現場に近い感覚でAIの性能や操作感をご体験頂けます。腫瘍性病変が映ったパネルや、胃潰瘍・胃底腺ポリープ等の非腫瘍性病変が映ったパネルを、内視鏡システムを通じて内視鏡AIで解析します。
② 「内視鏡検査動画」を使ったAI体験
「除菌後胃癌」をはじめとした、十数個の内視鏡検査動画を内視鏡AIで解析します。内視鏡検査動画は共同研究を行っている医療機関より受領したものを使っているため、臨場感をもって体験していただくことができます。
「第107回日本消化器病学会総会」会期中実施の内視鏡AIを体験された先生方のご意見・ご感想
弊社では、2021年4月15日~17日に開催された「第107回日本消化器病学会総会」の期間、内視鏡医の先生方向けにオンラインによる内視鏡AI体験を実施しました。山本貴嗣先生(帝京大学 医学部 内科学講座 教授)をはじめ、計28名の先生に研究・開発中の内視鏡AIを体験いただき、「内視鏡AIの有用性」及び「内視鏡AIへの要望」についてお伺しました。先生方から頂戴したご意見・ご感想の一部を紹介させていただきます。

オンラインによる「内視鏡AI体験」にご参加いただいた帝京大学 医学部 内科学講座 教授 山本貴嗣先生
内視鏡AIの有用性についてのご意見
・経験が少ない医師が病変を見つけて判断に迷うケースに使われると良いと思う
・内視鏡AIの有用性として考えられるのは、若手医師のサポート、医師のコンディションが悪い時にも優秀な助手が診断支援、遭遇したことがない病変を診断支援あたりがある
・萎縮が強い病変は悩んだりするときがあり、内視鏡AIの診断支援があると助かるという印象
・使い方が面倒ということはなかったので良い。鑑別は研修にも有用と思う
・自身の診断を補助してくれることを実感できた。自身の診断を確かめてくれる陪審員のような存在。AIがあると非常に心強い
・2例目の0-ⅡCのような腫瘍を(内視鏡AIが)認識できるのはすごい。びらんかどうかで悩むことはあるので、内視鏡AIが腫瘍性を示せば、スルーせずに注視するきっかけになる。熟練医でも役に立つだろう。また、専門医が少ない場所や指導医がいない場所でも需要があると思う
・自分の診療の時に横に信頼できる人がいると良いと言う時に、パッとAIはこう考えるんだとわかるのが良い。良い診療のパートナー同僚のように使えるものと考えている。わからないものはわからないと言ってくれるのがいい。人だと五分五分かなという曖昧な表現になるところを%で出してくれるのも良い
・思ったよりも信頼性があるなという印象。最も有用だと考えるのは、病変を見つけた時その病変や何であるかわからない時や、迷ってしまう時だろう。非専門医の医師には有用だと思うし、専門医も参考にはするのではないかと感じる
・特殊光に頼ることが増えてきたが、逆に白色光による観察の重要性が出てきており、AIを活用することで医師の目を養うことができる気がした。最終的には白色光による拾い上げが大切になってくると思う