インタビュー INTERVIEW

「患者様に寄り添った医療を(後編)」圷大輔先生(筑波胃腸病院 内視鏡センター長)

本インタビューに協力してくださった圷大輔先生は内視鏡専門医・指導医であり同病院の内視鏡センター長として駐在し内視鏡検査を行っています。圷先生は内視鏡AIにも強い関心をお持ちで、数々の助言を寄せていただきました。

内視鏡AIの操作体験

0-Ⅱc(表面陥凹型)などの比較的検出が容易ではない病変に対して、研究開発中の内視鏡AIのプロトタイプを操作いただき、ご意見をいただきました。
[インタビュー]「患者様に寄り添った医療を」圷大輔先生(筑波胃腸病院 内視鏡センター長)

内視鏡現場で求められるAI像

クリック一つで診断してくれるのは非常に簡便でした。
内視鏡メーカーによって設定できると思いますが、内視鏡のフリーズと同じタイミングでAIが診断してくれると使いやすいと思います。以前、AIMが開発した古いバージョンのピロリ菌鑑別のプロトタイプのAIを操作しましたが、その時の操作感も良かったです。

メーカー横断型の内視鏡AI

また、内視鏡メーカーに依存しない点もいいと思います。オリンパス社や富士フイルム社などメーカー横断的に対応しているAIが望ましいと思います。

内視鏡AIの未来

カプセル内視鏡の画像診断支援

将来的には内視鏡AIは、カプセル内視鏡の大量の画像を診断してくれるようになるのではと思います。将来的には内視鏡医の仕事も変わってくると思いますが、口から肛門までカプセルを飲むだけで検査ができる世界になるのではと考えています。患者さんも内視鏡を口から入れる苦労もなくなります。

また、生検の負担もなくなると思います。患者さんとしては無駄な生検がなくなるのは望ましいと思います。もちろん、無駄かどうかは生検してみないとわからないところもありますが、近年の高齢化で高血栓薬の服薬が増えており、生検で血が出る確率は高くはありませんが、生検率がAIにより減ってくれればいいのではないかと思います。
[インタビュー]「患者様に寄り添った医療を」圷大輔先生(筑波胃腸病院 内視鏡センター長)

シンプルな操作で海外の内視鏡医に利用される

海外の先生方は特に簡便さを求められていると思います。変に操作が多いと普及しないと思います。白色光で数枚の写真の中で胃がんを見つけることができるようなら、顧客のニーズに対応しており、内視鏡AIは普及していくと思います。

NBIや超拡大内視鏡対応で日本の内視鏡医に利用される

海外と異なり、日本の先生方は内視鏡のかなり細部を突き詰めてきたので、内視鏡AIはNBIや超拡大内視鏡などの対応を求められるのではと思います。
PMDAとの調整などは大変だとは思いますので、最初はシンプルに白色光対応だけでいいと思いますが、将来的にはNBIや超拡大内視鏡に対応してより精度が上がってくることを期待します。

医師の声でAIが反応

技術上モニターが必要になるなどあると思いますが、明らかな病変に対してAIが視覚的に反応していると医療行為の侵害になる可能性があります。医師は内視鏡検査中は両手が塞がっていますから、医師の声で内視鏡AIがON/OFFが切り替わったり、怪しい病変があればAIが話しかけたりすると良いかもしれません。大きな病院で複数の医師の声に対応させるのは難しいかもしれませんが、期待しています。

多田 智裕(医師)
Tomohiro Tada
医療法人ただともひろ胃腸科肛門科 理事長 / 株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO 医師

概略
1996年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院外科研修医として勤務。
2005年に東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
2006年より武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科開業。
2012年より東京大学医学部腫瘍外科学講座客員講師。
2017年株式会社AIメディカルサービスを設立、代表取締役CEOに就任し、現在に至る。

学歴
1996年3月 東京大学医学部医学科卒業
2005年3月 東京大学大学院外科学専攻卒業

職歴
1996年6月 東京大学医学部付属病院 外科
1997年6月 国家公務員共済組合虎ノ門病院 麻酔科
1999年12月 東京都教職員互助会三楽病院 外科
2001年6月 東京大学医学部付属病院 大腸肛門外科
2005年4月 東葛辻仲病院 外科
2006年7月 武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科院長
2012年3月 東京大学医学部付属病院 大腸肛門外科学講座 非常勤講師
2017年9月 株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO

所属学会・資格・役職など
浦和医師会胃がん検診読影委員
日本外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会指導医
日本消化器病学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医

著書・論文など
【著書】
『行列のできる 患者に優しい“無痛”大腸内視鏡挿入法』など著書複数。

【論文】
Application of artificial intelligence using a convolutional neural network for detecting gastric cancer in endoscopic images.
Hirasawa T, Aoyama K, Tanimoto T, Ishihara S, Shichijo S, Ozawa T, Ohnishi T, Fujishiro M, Matsuo K, Fujisaki J, Tada T.
Gastric Cancer. 2018 Jul;21(4):653-660. doi: 10.1007/s10120-018-0793-2. Epub 2018 Jan 15.
PMID: 29335825 など多数

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