インタビュー INTERVIEW

[インタビュー]「内視鏡AI技術が地域医療における内視鏡診療に貢献する」 齊藤 真弘先生(東北大学病院 消化器内科・東北メディカル・メガバンク機構 助教)

東日本大震災後の地域医療支援で感じた内視鏡診療の問題

地域医療における診療の観点で、地域差があると感じることはありますか?

私は現在、東北大学メディカル・メガバンク機構(ToMMo)のクリニカル・フェローとして、三陸沿岸の地域医療支援を行っております。1年のうち4か月間、宮城県の沿岸にある気仙沼市立本吉病院に東北大学から出向しています。本吉病院は東日本大震災により大きく被災しましたが、様々な支援をうけて再建しました。さらにその後は総合診療に力を入れて成長して来られ、現在は全国各地から地域医療の勉強に研修医を受け入れ教育する病院にもなっています。震災後、ToMMoクリニカル・フェローという地域医療支援の仕組みにより、東北大学から交互に4か月ずつ医師が派遣され、本年まで継続的に支援が行われてきました。私は今年で2回目の派遣で、ちょうど東日本大震災10年目の節目となる2021年3月11日を被災地で迎えました。三陸沿岸地域の復興は、報道もされているようにとても勢いがあり、復興道路と呼ばれる三陸道も新たに建設されました。それでも仙台市まで1時間半はかかる場所で、遠隔地における患者さんの受診環境の制約を感じました。そのような中で、本吉病院は地域から総合診療を求められている病院として機能拡充し地域住民に信頼されています。内視鏡検査機器も導入され、地域の方々に積極的に検査を受診してもらえる環境が整っています。

COVID-19がもたらした医療者の情報格差の解消

医療者の勉強・研鑽の機会といった観点での地域間の情報格差についてはどうですか?

私が以前、青森県のある中核病院で勤務していた頃は、医師主体の勉強会が月1回定期的に開催されていました。しかし、まだ首都圏と比べると医療情報に関して研究会や勉強会は少なく、インターネットが普及した現状でも情報格差を感じていました。学会や主要な研究会に参加するためには、新幹線や飛行機で長距離移動を要し、宿泊も必要となるなど、診療の間に参加する時間を確保するのに困難を感じました。
しかし最近、COVID-19の影響を受け、学会や研究会がオンライン化の流れになり、ハイブリッド開催されるようになってきております。地方にいてもオンラインでの参加が容易になり、情報格差が解消されていくきっかけになったと思います。COVID-19自体は大変な問題ですが、情報通信技術を活用した新たな仕組みが医療者の研鑽の機会の地域間格差を埋めてくれたと感じています。

内視鏡医の知りたい情報へのアクセス

多田 智裕(医師)
Tomohiro Tada
医療法人ただともひろ胃腸科肛門科 理事長 株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO 医師

概略
1996年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院外科研修医として勤務。
2005年に東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
2006年より武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科開業。
2012年より東京大学医学部腫瘍外科学講座客員講師。
2017年株式会社AIメディカルサービスを設立、代表取締役CEOに就任し、現在に至る。  

所属学会・資格・役職など
浦和医師会胃がん検診読影委員
日本外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医

著書・論文など
【著書】
『行列のできる 患者に優しい“無痛”大腸内視鏡挿入法』など著書複数。

【論文】
Application of artificial intelligence using a convolutional neural network for detecting gastric cancer in endoscopic images.
Hirasawa T, Aoyama K, Tanimoto T, Ishihara S, Shichijo S, Ozawa T, Ohnishi T, Fujishiro M, Matsuo K, Fujisaki J, Tada T.
Gastric Cancer. 2018 Jul;21(4):653-660. doi: 10.1007/s10120-018-0793-2. Epub 2018 Jan 15.
PMID: 29335825 など多数

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