インタビュー INTERVIEW

[インタビュー]「内視鏡診療において様々な課題がある中で、内視鏡医の期待、想像を超えるAIを創ってほしい~後編~」内藤裕二先生(京都府立医科大学 生体免疫栄養学講座 教授)

gastroAI onlineでは、内視鏡医の先生に役立つ情報を発信しています。今回は、京都府立医科大学生体免疫栄養学講座にて教授を務められる内藤裕二先生に、内視鏡診療および内視鏡AIについてお話を伺いました。本稿ではインタビューの内容を前編/後編に分けてご紹介いたします。後編では内視鏡AIの課題や有用性、内視鏡AIへの期待についてお話いただきました。

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スクリーニングを行うハイボリュームセンターでは検査時間の短縮や見落とし抑制につながるはず

当社の内視鏡AIは、どんな場面で役立つでしょうか?

不要な生検を減らせるかという観点では、まだ内視鏡AIはそこまでの信頼を獲得していないと思います。内視鏡医が生検した方が良いと考えれば内視鏡AIの回答がどうであろうと実施しますし、内視鏡医が生検をしないと判断して内視鏡AIが生検すべきと判断したケースの場合は、生検しないつもりだったものがすることになるため、内視鏡AIによって生検の数が減ることはまだないでしょう。内視鏡AIの情報は、あくまで参考程度になると思います。

一方で、スクリーニングを行っているハイボリュームセンターでは非常に役立つでしょう。スクリーニングをたくさん行う施設にとっての内視鏡AIは、賢い指導医が1人常駐しているようなもので、検査時間の短縮や見落としの抑制にもつながるはずです。また、教育の現場でも役立つかもしれないと考えています。指導する際に、人と人のコミュニケーションは軋轢が生まれる可能性があります。しかし、上司や指導医に誤りを指摘されるよりも、内視鏡AIに指導される方が納得しやすくストレスも少ないかもしれません。

二次読影の仕組みを改善できれば非常に有用

臨床現場で役立つ内視鏡AIとはどんなものでしょうか?

二次読影の仕組みを改善することができれば、非常に有用性があると思います。胃がん検診における二次読影は多くの自治体で義務化されていますが、現行の方法はあまり効果的ではないのではないかと思うことがあります。一次読影は動画を見ながら診断しますが、二次読影の判定材料は数十枚の静止画だけであることが理由です。私も二次読影を担当しますが、撮影者によって撮影される写真の質も異なりますし、動画と静止画では目に入る情報量が大きく異なるので、精度が比べ物にならないと考えています。撮影の段階で見えてないものは当然二次読影でも見えないので、内視鏡で胃の中を見ているその瞬間が勝負だと思いますし、そのタイミングで内視鏡AIがリアルタイムでサポートする仕組みができれば、効果的だと思います。日本の内視鏡医のレベルは高いので現行の運用ができていると思いますが、効果という点でも医師の負荷軽減という点でも、改善の余地があると感じています。

内藤裕二先生(京都府立医科大学 生体免疫栄養学講座 教授)3

多田 智裕(医師)
Tomohiro Tada
医療法人ただともひろ胃腸科肛門科 理事長 / 株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO 医師

概略
1996年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院外科研修医として勤務。
2005年に東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
2006年より武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科開業。
2012年より東京大学医学部腫瘍外科学講座客員講師。
2017年株式会社AIメディカルサービスを設立、代表取締役CEOに就任し、現在に至る。

学歴
1996年3月 東京大学医学部医学科卒業
2005年3月 東京大学大学院外科学専攻卒業

職歴
1996年6月 東京大学医学部付属病院 外科
1997年6月 国家公務員共済組合虎ノ門病院 麻酔科
1999年12月 東京都教職員互助会三楽病院 外科
2001年6月 東京大学医学部付属病院 大腸肛門外科
2005年4月 東葛辻仲病院 外科
2006年7月 武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科院長
2012年3月 東京大学医学部付属病院 大腸肛門外科学講座 非常勤講師
2017年9月 株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO

所属学会・資格・役職など
浦和医師会胃がん検診読影委員
日本外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会指導医
日本消化器病学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医

著書・論文など
【著書】
『行列のできる 患者に優しい“無痛”大腸内視鏡挿入法』など著書複数。

【論文】
Application of artificial intelligence using a convolutional neural network for detecting gastric cancer in endoscopic images.
Hirasawa T, Aoyama K, Tanimoto T, Ishihara S, Shichijo S, Ozawa T, Ohnishi T, Fujishiro M, Matsuo K, Fujisaki J, Tada T.
Gastric Cancer. 2018 Jul;21(4):653-660. doi: 10.1007/s10120-018-0793-2. Epub 2018 Jan 15.
PMID: 29335825 など多数

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