
「”医師の本能”を刺激するようなシステムが時代を変える-後編-」本田孝也先生(長崎県保険医協会 会長/本田内科医院 院長)
長崎県に位置する歴史ある診療所・本田内科医院の院長である本田孝也先生。地域医療に従事しながら、長崎県保険医協会の会長として、学術研究会や講習会、情報発信などの活動も行っています。更に独学で学びながらシステム開発に携わる等、コンピューターにも造詣が深い本田先生は、内視鏡AIへ深い関心を寄せているとのこと。インタビュー後編では、本田先生が考えるこれからの内視鏡診療について、内視鏡AIへの期待について伺いました。
トレーニング方法の変化は技術の進歩によって引き起こされる
内視鏡診療におけるがんの見逃しは、どうすれば防げるとお考えですか。
これは非常に難しい質問です。それは、熟練したドクターであっても、常に見逃しリスクと隣り合わせにあり、ミスを防ぐためには主として経験が頼りとなるからです。非専門医が同レベルの技術を身につけるためには、修練が必要となりますが、開業後に早期がんの症例を見る機会は非常に少なくなります。私自身も、長崎に戻り本田内科医院の院長に就任してからは、同じような状況でした。
今後、内視鏡医の教育はどのように変化していくとお考えですか。
そのような状況下で、内視鏡AIは機械の力で医師をサポートしてくれるのが心強いです。まるで専門医がそばにいて一緒に検査をしてくれるような感覚は画期的で、内視鏡医にとって新しい時代に突入したなと感じています。
内視鏡AIの登場によって、内視鏡医の教育・トレーニング方法は確実に変わっていくでしょう。具体的には、きれいな画像を撮るテクニックが重視されていくと思います。