
CNNを活用した上部消化管内視鏡画像の解剖学的部位分類 / 東京大学医学部附属病院・瀧山博年先生[消化器内科AI論文サマリー]
Automatic anatomical classification of esophagogastroduodenoscopy images using deep convolutional neural networks (Scientific Report, 2018)
サマリー
はじめに
本研究では上部消化管内視鏡画像の解剖学的部位を適切に認識する診断プログラムの構築を目指し、GoogLeNetアーキテクチャに基づいたCNNを開発しました。なお、CNNアーキテクチャはCaffeフレームワークで実現しました。
上記を活用し、CNNによる解剖学的部位分類に対する性能を評価しました。
研究方法
1,750症例27,335枚の内視鏡画像を主要4分類( 喉頭・食道・胃・十二指腸)及びサブ分類として胃の部位(上部・中部・下部)を学習したCNNを開発し、検証画像435症例17,081枚に対する部位分類の性能を評価しました。
結果
CNNは17,081枚のうち16,632枚(97%)の部位を正確に認識しました。
- 主要4分類の 感度 / 特異度
- 〇 喉頭: 93.9% / 100%、食道: 95.8% / 99.7%、胃: 98.9% / 93.0%、十二指腸: 87.0% / 99.2%
- 胃の3分類の 感度 / 特異度
- 〇 胃上部: 96.9% / 98.5%、胃中部: 95.9% / 98.0%、胃下部: 96.0% / 98.8%
AUROCはCNNによる部位分類が高い性能であることを示しました。
- 〇 主要4部位:喉頭1.00、食道1.00、胃0.99、十二指腸0.99
- 〇 胃の3部位:0.99
結語
CNNは、内視鏡画像の解剖学的部位を認識する能力が高く、将来的に内視鏡画像診断システムへの応用の可能性があります。
以下は本論文の詳細です。